鎌倉市都市計画課御中
意見票「都市計画道路の見直し方針案」
後世の為に「日本橋の上を通る首都高速道路」のような愚行を繰り返さないで
鎌倉市では都市計画道路の見直し作業(2007年~2013年)を実施中です。 この間、中間報告その1、中間報告その2を公表し、市民から意見の募集を行いました。(当基金は意見書を提出済み・詳細略)
また都市計画審議会を2回実施しています(当会はいずれも傍聴参加) 今回は過去2回にわたる意見公募の結果を反映し「都市計画道路の見直し方針(案)」としてまとめた上での意見募集です。 都市計画道路の見直し方針(案)は「中間報告その2」と内容的には大きな違いはありません。都市計画道路(由比ガ浜―関谷線)B区間の総合評価結果は「保留」となりました。 「保留」とは今後の状況を見ながら再検証を行う路線という意味です。 現在までのところ、行政が事前に作成した「行程表」の筋書き通りに進んでいます。今後は、歴史的風土や緑地保全に対する影響と交通量、防災対策道路の課題をどのように調整するかという事になるのでしょうか。
当基金の見解は、都市計画道路(由比ガ浜―関谷線)のB区間(藤沢鎌倉線~横浜鎌倉線)については「廃止」を求めるものです(詳細略)。
もし「存続」となると幅9メートルの都市計画道路が台峯緑地から源氏山公園の歴史的風土と緑地保全されるべき地域に通ることになります。 それは1964年の「東京オリンピック」開催に間に合わせるため1963年「日本橋」(重要文化財指定)を塞ぐように「急ごしらえ」に建設された首都高速道路の構図と重複することになります。 このような計画はどのように美辞麗句をならべても後世の人に納得してもらうことは出来ません。
それより本計画を別の視点、つまり客観的事実から考察してはいかがでしょう。
第一に「豊かな自然環境と歴史的景観の維持」という問題です。
鎌倉市は「市民憲章」本文の中で鎌倉の歴史的遺産と自然および生活環境を破壊から守り責任を以って次世代に伝えると宣言しています。 また鎌倉市は世界遺産登録の意義として「鎌倉の歴史的遺産を大切に守り、次世代に残してゆくことを、世界に向けて示すと共に責任を以って、これを後世に伝える(鎌倉世界遺産登録推進委員会)と述べています。 上記二つの事実からも明らかなように市民に、国民に、世界に約束した事柄を都市計画道路の新設と言うことで反故にすることは出来ません。
第二に将来人口統計の側面です。
2013年3月27日厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は2040年には全都道府県の人口が2010年と比べ減少するとともに、65歳以上の人口の割合が3割を超えるとしています。鎌倉市の人口はどのように推移するでしょう。 2010年17万4千人の人口は2040年には14万9千人に減少するとしています。(15%の減少)
この事実は何を示しているのでしょうか。道路建設の必要性を根底から否定していると捉えるべきです。
このように客観的事実からも計画が如何に無意味なものであるか証明されています。
当基金としてはB区間を「廃止」つまり道路を新たに建設しなくても住民に悪影響を及ぼすとは考えにくく、むしろ次世代に胸を張って語り伝えられる方策と考えます。 以上
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