台峯の緑について 

【台峯って?】
横須賀線の北鎌倉駅から西に見える東慶寺、浄智寺の、背景の緑が台峯です。北鎌倉は漱石、小津安二郎、魯山人らが創作に勤しんだところですが、古寺に代表される歴史・文化と台峯のような自然とがあったからこそ、彼らの世界的な作品群が生まれたといえるでしょう。
そこには約30haの里山が広がっていて、東に円覚寺や駅辺りが、西には富士や丹沢の景観が望めます。また隣接する鎌倉中央公園の花壇や田畑とともに、半ば蕪(あ)れなんとする田園としてグラデーションのある自然を形成し、草むら、樹林、池、湿地などに様々な動植物が息づいています。

【どうして保全活動を?】
この台峯の大規模宅地造成計画が今から約20年前に公けになりました。開発されると景観や自然が大きく損われることになります。海外からも保全の陳情が届いた、この世界的財産を後世に伝えるべく1998年に作家のなだいなだ先生を中心に始められたのが当トラスト運動です。
幸い鎌倉市は当会はじめ市民の粘り強い開発反対の声に応え、当地を市の三大緑地のひとつとして約10年をかけて買い上げ、保存することを2004年決定しました。台峯は開発から守られたのです。

【緑地保全って?】
台峯については、市による買上げが完了し市民のものとして共用開始される2017年まで少なくとも現状の自然を維持し、またその後も見守り続ける必要があります。創設以来10余年、「歩く会」やホタル・虫の音を愛でる会、維持・保全のための「山の手入れ」や調査などを行なってまいりました。市とは月例の連絡会や共同調査を通じて協働体制にあります。
また台峯の生態系は「緑の回廊」により遠く三浦半島の先まで繋がる自然の一部なのですが、周辺の開発によって孤立化のおそれがあります。現に2008年には南隣の緑地を開発する計画が持ち上がりました。これに対し当会は2009年5月に市あてに1,354万円を寄付し、市もこれらを多として同地の買取を実行しました。台峯は生態系としても守られたのです。

【これからは?】
一口に「里山」といっても、置かれた条件により保全活動は大きく異なってきます。地方の里山とは異なり台峯は市街地に存在し、住民数に比べて極めて小さな自然です。その住民も農林業ではありません。都市住民による都市里山の保全という「新しい里山の形を求めて」今後も活動に励むとともに、開発計画には必要な対応をとっていく所存です。ご協力を頂ければ幸いです。
 

 

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